ロスのない
物質循環
環境負荷を削減し持続可能な都市をつくるうえでは、人やモノの動きを無視することはできません。
これまでは自動車を中心とした交通網による移動がさまざまなロスを生んでいましたが、これからは多様なモビリティの活用によって人とモノが動けば動くほど資源の再利用も進みその土地ごとの自然と調和した街づくりが実現するはずです。
年には何が起きる?
エコツーリズムが生む豊かな体験
コロナ禍による国内旅行の需要増加を受けて、民間事業者がエコツーリズムに力を入れ始める。ツーリストは地域の資源問題・解決に関して啓蒙されながら、遊覧船でクルージングやシェアライドを楽しめる。リユース容器の返却ボックスが街中にあるため、生活者は自然に利用している。
年には何が起きる?
自治体の参画がエコと
地域を結びつける
官民の連携が強まり、自治体もエコツーリズムの地域振興に積極化。地域内の資源利用がさらなる最適化へ。プラゴミの建築資材への転用やネット・ゼロ以下の建築生産など。これらの背景には、地域ごとに土地固有の自然エネルギーを活かす街づくりビジョンがあり、自然愛の考え方が膾炙する。
年には何が起きる?
価値をつなぐ
プラットフォームの誕生
デジタル化の取り組みが集積したことで、それらを地域内でまとめ上げるプラットフォームが成立。水耕栽培や農場との連携を伴う都市OSやAIによる廃棄物の自動監視システムが導入された。それらに加えて、山火事予測に伴うレジリエンスと防災意識の向上にもつながった。
物質が循環する都市のあり方
2040年の世界では宇宙ベンチャーの隆盛を受け、宇宙ステーションの開発やスペースデブリの問題などが注目を浴びていた。宇宙の暮らしでは、モノの移動や資源利用を最適化することで、生活用品の生産・使用・廃棄・再利用のサイクルを制御することが重要だ。そんななか、とある都市は20年がかりの施策の連鎖を通じて、「物質循環」と「エコツーリズム」を軸とした街づくりを成功させていた。その地方都市は、閉鎖系の生活モデルにヒントを与える未来の暮らしのプロトタイプだとして、称賛を受けることとなった。
いつのまにか環境への貢献が進んでいく
この街を訪れる旅行者は、初めはエコな取り組みに気づかない。まず自動運転の遊覧船でクルージングすると、文化施設や街の歴史を案内してくれる。じつはこの船は、船底の機構が河川のゴミを集めるモビリティ・ロボットなのだった。街でシェア自転車を探すと、荷台にリユース容器が乗った数台にかぎって無料で借りられる。生活者の家族がシャンプーや洗剤の空き容器を返却している様子を街で見て、納得する。人流と物流を兼ねたシェアライドなのだ。街外れのコテージへ移ると、そこは遊覧船から回収された廃棄物由来の資源からつくられた建物だった。資材・建設・解体まで、建物のライフサイクルの全過程が省資源化されており、太陽光パネルの電力生産量が負荷を上回る。新築中の一角を見れば、ブロックのように成形されたモジュール型の部材を、ロボットアームが積み上げている。この工法・資材は、移築するときも無駄がない。そのため、自治体はこの仮設住宅を、移住者予備軍の「試住」に用いて人を呼び込む。
いつのまにか環境への
貢献が進んでいく
この街を訪れる旅行者は、初めはエコな取り組みに気づかない。まず自動運転の遊覧船でクルージングすると、文化施設や街の歴史を案内してくれる。じつはこの船は、船底の機構が河川のゴミを集めるモビリティ・ロボットなのだった。街でシェア自転車を探すと、荷台にリユース容器が乗った数台にかぎって無料で借りられる。生活者の家族がシャンプーや洗剤の空き容器を返却している様子を街で見て、納得する。人流と物流を兼ねたシェアライドなのだ。街外れのコテージへ移ると、そこは遊覧船から回収された廃棄物由来の資源からつくられた建物だった。資材・建設・解体まで、建物のライフサイクルの全過程が省資源化されており、太陽光パネルの電力生産量が負荷を上回る。新築中の一角を見れば、ブロックのように成形されたモジュール型の部材を、ロボットアームが積み上げている。この工法・資材は、移築するときも無駄がない。そのため、自治体はこの仮設住宅を、移住者予備軍の「試住」に用いて人を呼び込む。
移動が加速すればするほど
街は豊かになる
この街独自の官民連携が、観光業者と地域振興を緊密に繋ぐ。それを支えるように、近隣の農村部や街中の各所もプラットフォームのうえで連携。デジタルツインのフードロス抑制も手伝って、地域内の食料自給率と地産地消の度合いは著しく高められた。地域のなかをモノが巡る。それが文化的な価値となり、人の巡りもいっそう強まる。物質循環とエコツーリズムがみごとに連携した一事例だ。日本のサテライトである地方の暮らしは、ひいては地球のサテライトである宇宙にまで影響を及ぼすだろう。