1.品川シーズンテラスを含む品川港南エリアにおいて、エコロジカルネットワークの形成を確認
品川シーズンテラスは2015年に開業した大規模複合施設です。建物の開発段階から、生物の誘致種を定めた豊かな緑地を設計・配置したことにより、2026年現在においても、多種多様な生物の生息が確認されています。
本実証では、品川港南エリアを中心とした範囲において、生物多様性スタートアップ企業である株式会社バイオーム(本社:京都府京都市、代表取締役 藤木 庄五郎、以下「バイオーム」)が開発した、市民参加型調査のいきものコレクションアプリ「Biome(バイオーム)」で観測した生物ビッグデータと環境情報(土地利用、気候(気温、降水量など)、標高、土地被覆、地形など)を組み合わせ、統計学的に生息範囲を推定する「種分布モデリング(SDM)」により、誘致期待種や重要種を含む30種の生物の生息のしやすさを推定しました。次に、SDMによる推定結果と各種の生態などをふまえ、「生物の移動しやすさ」を推定し、地図上に可視化する「エコロジカルネットワーク分析」を実施しました。
また、品川港南エリアに生息する30種のうちの26種類について、品川シーズンテラスおよび周辺の緑地や水辺空間が生息適地であると推定され、生物が大小さまざまな緑地を経由しながら移動できることが分かりました。
(モンキチョウ、チョウトンボ)
さらに、種ごとのエコロジカルネットワークを足し合わせた「生物の移動しやすさ推計」(対象:30種)により、生物の移動経路を可視化した結果、特に、品川シーズンテラスは臨海部における生物移動経路の中継拠点として機能し、南北方向に連続する生息空間の連結性を維持・向上するうえで重要な役割を果たしていることが明らかになりました。
これらの結果から、品川シーズンテラスの緑地は生物の生息地としての機能に加え、周辺の緑地と連続するエコロジカルネットワークの重要な結節点であることが示されました。
なお、株式会社NTTアーバンソリューションズ総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長
上野 晋一郎)は、実証フィールドの植生・生物種に関する既往調査・評価結果の整理、および既存モニタリング手法との比較検討を実施し、本技術の有用性を確認しました。
および「生物の移動しやすさ推計」
- 生息適地となった種が多い場所
- 移動のしやすさが高くコアエリア間がつながっている可能性が高い場所
- 緑のオープンデータ(東京都)より