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街づくり × デジタルのさまざまなプロジェクトにおいて、実証実験がはじまっています。今回ご紹介するのは、街づくりDTC®を活用したロボットによるフードデリバリーです。名古屋・東桜のアーバンネット名古屋ネクスタビルにおいて、2022年10月から始まった第一弾の実証実験に続いて、2023年の3月からは第二弾の実証実験がはじまります。NTTグループが取り組むロボットによるフードデリバリー実験は、競合他社と何が違い、どんな優位性があるのでしょうか。

  • 本ページに掲載されたサービス名や登場する人物の所属会社名及び役職、紹介した施設や画面などは2023年12月時点のものとなります。
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サービスの需要や
運用コストを見極める

大﨑:アーバンネット名古屋ネクスタビルのロボットデリバリーの実証実験は、ビル内のワーカーの方ご自身のスマートフォンを使って注文し、自走ロボットがオフィスフロアに届けてくれるサービスです。それを2つのステップで行なおうと考えています。

まず2022年10月にはじめた第一弾では、実際にロボットが自走してオフィスフロアまで届けることができるのかという実験でした。そして2023年3月から行う第二弾では、フードデリバリーのサービスに需要がどのぐらいあるのか、サービスを商用化するにあたってどのくらいのコストがかかり、ビジネスモデルとしてどのようにしたらサービスが継続できるのかを調べる実証実験になります。

松浦:ロボットデリバリーの実証実験の目的に関してですが、2点あると思っています。1つ目は、きちんとユーザーの方の手元まで飲食店様からの商品を届けることができるのかという点。2つ目は、ロボットによるフードデリバリーがそのビルのワーカーのみなさま、飲食店のみなさまのためになるのか、価値の創出につながるかを確かめたいという点です。

わたしたちがすすめる街づくりDTC®と呼ばれるAI等の最新技術を使った仕組みにより、いかに効率的にロボットを"使いたおせるか"ということを、この実証実験によって確かめたいと思います。

大﨑:注文した商品をロボットが運ぶというだけではなく、最適制御するデジタルツインコンピューティング(DTC)を使っているというのはポイントですね。これによってどう変わるかというと、いつロボットが届けてくれるのか、指定時間の配送ができるのか、そのためには何時ごろに集荷に行けばいいのか、配送経路はどこを通っていくのか。そういったことを、DTCが、時間帯や曜日、天気などからビル内の混雑状況を学習して予測して導き出すことができるようになります。注文したお客様や商品を提供する飲食店様といった利用者の方々がストレスを感じることなく、全体最適化で心地よいサービスを利用することができるという環境を構築していければと考えています。

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配送時間予測や混雑回避の最適経路計画

松浦:そうした指定配送時間のシミュレーションなどは、わたしたちのサービスの特徴であり、最近競業他社の参入が増えてきたロボットデリバリーサービスにおける弊社の優位性のひとつであると思います。少子化対策などによるロボットの活用は、社会的な課題としても注目を集めていますが、今後はロボットを賢く動かす頭脳の部分がより重要になると思います。ロボットを動かすだけでなく、例えばビル内のデータを収集して、そのデータを使った効率的な配送計画を立てることで、ユーザーの方々や店舗の方々の待ち時間を極端に減らすことが可能になります。10月の実証実験の際にも「いつ到着するかわからないと頼みづらい」という声をいただきました。また当初は到着時点での待ち時間設定を5分にしていましたが、「もう少し長くしてほしい」という声による改善策など、いち早く実証実験を始めたわたしたちだからこそ得ることができた、そのようなフィードバックから、よりユーザーフレンドリーなサービスの構築に努めています。

大﨑:10月の実証実験で難しかった点として、例えばエレベーターホールなど共用部といった、みなさんが利用するエリアを自走ロボットが動くことでの法的なリスクや安全面、衛生面などが挙げられます。また、ビル管理者や実際に商品を積み込む店舗の方々にとっても、まだまだロボットを採用したデリバリーサービスが普及していない中で、懸念点や不安に思われるところがたくさんあります。そうした運用による課題を一から解決することに多くの時間を要しました。

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屋外配送や複数ロボットの効率的な運用

大﨑:今回の実証実験はオフィスビルの中だけですが、今後はオフィスビルを出て、周辺エリアやビル内の店舗様だけでなく他の店舗様にまでこのサービスを広げていった時に、この予測シミュレーションの技術を活用したサービスがどのような価値を創出することができるのかというのも、競合他社のサービスとの差別化になると思います。

松浦:ロボットの数や種類は今後ますます増えるだろうと思います。配送ロボットだけでなく、警備ロボットや清掃ロボットなど、もう実際に動いているものもあります。そのような複数種類のロボットをどのように効率的に動かしていくのかというのも今後の課題です。それぞれを最適化し、統合して運用していく中でカバーできることとその場合のコスト、そして運用でカバーできないところを技術的に解決していくところがポイントになるだろうと思います。

また、ビル内だけでなくビル間をまたぐ屋外の配送、違うビルへ持っていく、あるいは自分のビルに持ってくるなどロボットが動く領域が拡大することでエリア内では経路が複雑になります。そうした複雑な条件下でどうロボットを効率的に街づくりDTC®︎を活用して動かしていくのかもポイントになるでしょう。

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大﨑:まだ実証段階ですので、ビルを運営していく中でお客様にとってプラスになるサービスなのかを調べているところですが、もし助けになっているとしても運用コストなどはまだこれから検討になるでしょう。最近増えてきた店内の配膳ロボットと今回の配送ロボットとの大きな違いは、一般の方々が利用されるフロアやエリアを通るというところ。ロボットがオフィスの中を動く場合、まだエレベーターに一緒に乗ることが安全面や心理面で難しい面があります。ロボット稼働の邪魔にならないように同乗してはいけないのかなど、まだまだ人とロボットが一緒の場所で活動するためには課題があります。もっとロボットの配送が身近になることで、ロボット用のエレベーターを設計しなくてもよくなるなど、ロボットとの共生はコスト面でも重要になるのではないかと思います。

松浦:コストと手間の削減とともに、店舗様にとっては販売機会の創出という面もあると思います。店頭で売るというチャネルに加えて配送するというチャネルを活用したフードロス削減にも挑戦できればと思います。

大﨑:フードロス削減という社会課題のためにロボットによるデリバリーが貢献できる可能性としては、例えば複数ビルや地域でロボットを共有していただく。そうすることで、仕入れ食材の余剰分を近隣店舗間でロボット配送を活用し廃棄ロスを軽減したり、新たな配達人員の工面を気にすることなく配達手段の確保が可能となり人件費などのコストと手間の削減にもつながる。そのような視点での新たな取り組みも生まれるかもしれません。

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※「街づくりDTC®」はNTT株式会社の商標登録です。持株研究所のIOWNの技術テーマの要素のひとつで、デジタルツインの発展形であるデジタルツインコンピューティングの技術を街づくりに応用して新たな価値を生み出すことをめざす、NTTグループの取り組みの総称です。詳しくはこちら。