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©Forward Stroke inc.
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2023年5月に、スマートシティの成熟度合いや街の豊かさを可視化する指標のひとつであるスマートシティの国際規格「ISO37106」において、アーバンネット名古屋ネクスタビルを有する東桜街区が世界で2例目となるレベル4認証を取得しました。2022年1月に日本初のレベル3を取得してから、各要求項目の成果やそのプロセスが評価されたことが結実しました。そこで今回は、実際にビルや街区の運営に携わり、「成長し続ける街づくりの実現」をめざしている姿をレポートします。

  • 本ページに掲載されたサービス名や登場する人物の所属会社名及び役職、紹介した施設や画面などは2023年12月時点のものとなります。

取材:わが まち みらい・実績レポート取材チーム

オープンで協調的、市民中心の街づくり、ICT活用という、
ISO37106の規格を満たし認証取得。

「時間と空間の制約からの解放」「新たな発見と創造」「安心安全の実現」「環境負荷低減」の4つをビジョンとして掲げ、2022年1月に竣工したアーバンネット名古屋ネクスタビル。NTT都市開発として、次世代型先進オフィスの第一号案件に位置付けました。竣工後まもなくの2022年1月に、日本初となるISO37106のレベル3を取得しました。ISO37106は、オープンで協調的、市民中心の街づくり、ICTの活用という指標によるスマートシティの国際規格です。その翌年取得したレベル4は、レベル3の取り組みの成果が測定され、テナントの方々にもベネフィットとして実感されているという評価を受け、国内外からも注目を集めました。

「ISO 37106の提示するスマートシティのベストプラクティスに基づき運営スキームを策定し、業務プロセスを確立してきました。今回のレベル4の取得によって、その取り組みに対する評価を頂けたことはとても良かったと思います」とNTTアーバンソリューションズ デジタルイノベーション推進部 都倉菜月さんは話します。

都倉さんは、これまでの大規模なビルの運営管理業務のキャリアを通して、今回のISO認証取得の実務を担ってきました。ISO認証は、取得して終わりではなく、どのように維持していくかという視点で取り組んでいます。

「今回のレベル4の取得にあたっては、街区一帯として運営が本格スタートしていることもあり、レベル3取得時に定めていたKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)について、実態に即していない面を見直す必要がありました。コンセプトやビジョン、KPIは、最初に定めてそれで終わりではなく、継続して見直すことで改めて気づくことがあると実感しました」と話します。

「また、レベル4ではレベル3取得までの指標の成果が達成されていることも重要です。オフィスや飲食店舗の方々、テナントの方々の満足度が上がっているかをどのように計測するか、チーム内で掘り下げるきっかけにもなりました」とも話します。

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ISO37106の認証機関であるBSIグループジャパンによる認証内容をもとにわが まち みらい・実績レポート取材チームにて制作。
スマートシティの戦略策定や管理運用の成熟度、成果測定によって、今回の名古屋東桜街区のレベル4取得は、世界で2例目となる

運営業務を体系化することで、
関係者間の認識を共有できる。

ISO37106の取得にあたり、これまで行ってきたPM業務(Property Management:不動産の管理業務)と異なる新たな運営スキームを策定したわけではありませんが、ISO規格を参考にすることで課題解決に向けた動きが明確化され、現場における定期的な振り返りができていることは大きなメリットだと思います」と話すのは、NTTアーバンバリューサポート東海事業部 池田陽夏さんです。

池田さんは、アーバンネット名古屋ネクスタビルの開業当初から、運営や管理など諸々の日常運用の円滑化を促進する業務に携わっています。

今回のISO規格が求める基準に対して、日々の運用管理業務が効果的かつより生産的に機能するよう、新たな情報共有や課題解決の仕組みづくりや対策遂行などISO規格を現場に落とし込む役割を担っています。

「取得データを分析し、新たに見出した課題解決に対する取り組みを行い、効果検証をしていくことで、ビルのコンセプトやビジョンから離れず成果を追い求められています。取り組み状況はビル運営に関わる関係各社との会議体で共有しており、課題に対する認識のすり合わせもスムーズです。この会議体があることで意思決定のスピードが上がっていると感じており、ステークホルダーの満足度の向上に貢献できているのではないかと思います」

例えば、ワーカーや来客者の方々がビル内や商業施設に関する情報がわかるスマートフォンアプリ(街アプリ)「tocoto」を使って、飲食店舗の方々と協力したクーポン発行などの施策を実現したり、テナントの方々から使い勝手などのご意見をいただき反映しているとのことでした。これらは、アプリの登録や活用を促進するだけでなく街区全体での体験の満足度アップもめざしていると言えるでしょう。

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NTTアーバンソリューションズ株式会社 デジタルイノベーション推進部 都倉菜月さん(写真右)
NTTアーバンバリューサポート株式会社 東海事業部 池田陽夏さん(写真左)

街区を活用するテナント入居者として気づく、
ISO認証取得のメリットとは。

では実際のテナントの方々のご意見はどうでしょうか?

アーバンネット名古屋ネクスタビルにテナントとして入居されていながら、ビル内の清掃業務もご担当されているテルウェル西日本東海支店 総合ビルマネジメント部 担当課長 稗田正彦さんは、「2022年4月の入居以来、とても快適なオフィスと感じ、日々業務にあたっています」と前置きの上で、「ビル内Wi-Fi完備やテナント専用スペース、混雑状況や電気使用量・ごみ排出量などを表示しているサイネージの活用、エレベーター顔認証システム、『tocoto』によるビル情報の発信や館内情報発信、最新の清掃・警備ロボットの運用など空間と最先端のICTの活用により、東桜街区の開発コンセプトでもある、ワクワクして働くことができる空間を提供いただいており、不便を感じることはないですね」

テルウェル西日本はビル内の清掃業務において、ロボットを活用した清掃サービスのソリューションを導入し、ビルをはじめ商業施設、マンションなど幅広い建物の最適な清掃プランを提供しています。稗田さんによれば、「グランドオープン当初は、清掃ロボット(自動扉・エレベーターと連動し、夜間(20:00~1:00)19F~B1F廊下の清掃を実施)の稼働において試行錯誤することがありましたが、ビル運営のご担当者の方々とも連携してひとつひとつ解決してきました」とのこと。

「導入当初には自動扉の開閉やエレベーターとの連動などの動作でエラーが多発し、急遽深夜にロボットに登録したマップを修正するなど、労力と時間を要しました」と当時を振り返ります。

「それを経て、現在ではほぼエラーもなく安定稼働しています。夜間のエラーによる停止時に防災センター要員が救出するスキームの構築やロボットの運行に影響しない設備機器の配置の検討など、安定稼働に向けてNTTアーバンバリューサポート株式会社のご担当者の方々にご協力いただきました。ISOの運営スキームをきっかけに上記の課題がより早く解決できたのではないかと思います」と話します。

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アーバンネット名古屋ネクスタビルの開放的な屋上テラス。人流センサーが設置され、混雑状況なども可視化されている

「我々の業務だけでなく、今後省人化という課題は多くの事業分野にとって直面するものだと思います。その意味でもロボットをはじめICTの活用は、これまで以上に重要になってくると思います。このアーバンネット名古屋ネクスタビルで培ったノウハウは、他のビルや街区での営業活動にも役立つものだと思いますね」

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テルウェル西日本東海支店 総合ビルマネジメント部 担当課長 稗田正彦さん。業務における廃棄物処理について現在49区分・12品目でテナント別計量を実施。「テナント・店舗の方々の意識の高まりを実感しています」とのこと

ISO認証取得プロセスをNTTグループ内で共有し、
ブランディングにも活かす。

他のエリアへの活用という点については、ISO規格においても同様です。都倉さんは「従来、管理運営業務は物件ごとの特性に合わせて最適化していますが、ISOのフレームを活用することで「成長し続ける」仕組みを、共通化・標準化して大きな強みにすることは、"NTTアーバンソリューションズグループならではの街づくり"をブランディングする意味でも重要だと思います。ただ、ISO規格に基づいた運営スキームを確立するには、竣工後、運営が始まってからでは難しい部分もあり、企画時から整備をすることでより実現しやすくなることを実感しました。このような気づきを共有するためにも、ISO規格内容や東桜街区での取り組みをNTTグループ内で展開していきたいと思います」と話します。

池田さんも「アーバンネット名古屋ネクスタビルには最新のICTメニューが多数搭載されています。これまでデータ取得のハードルにより数値化が難しく、他プロジェクトへのフィードバックが不十分だったこともありましたが、数値が可視化されることで広く共有でき、課題を認識してもらいやすくなったのではないかと感じます。今後ぜひこのノウハウを他のビルや街区でも活用していきたいですね」と話します。

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アーバンネット名古屋ネクスタビルとアーバンネット名古屋ビルを結ぶ中庭エリア。時節によって開催されるイベントには入居者だけでなく来街者の方々も立ち寄る

期待できる価値創出

NTTアーバンソリューションズグループのめざす街づくりの特徴のひとつに「成長し続ける街づくり」があります。都倉さんによる「コンセプトやビジョンは、最初に決めて終わりではなく、常に成果を測定しながら」というのも、そうした表れのひとつ。

成長し続けるために、実態に即した見直しを行い、ビジョンに立ち返り、効果検証を行うためにISO規格を活用する。今回の取材において、その認証取得プロセスの大変さという点よりも、規格の提示するベストプラクティスに基づいた運営スキームを標準化するメリットを協調されていることが印象的です。「KPI達成をめざし、日々課題に対応しているという実感があります」と池田さんは話します。「入居テナントの方々や来街者の方々など、多数のステークホルダーの満足度向上に繋げようという目標を達成するための取り組みを実践していることが、ISO認証取得をきっかけとした価値だと思います」とも話していました。

これからもISO37106の提示するベストプラクティスを参考にし、成長し続ける街づくりをめざす挑戦が続きます。

レポートのまとめ

  • ISO 37106の提示するベストプラクティスを
    取り入れた業務プロセスに進化。
  • 関係者間でめざす姿/認識を共有することで、
    迅速でスムーズな意思決定と運営を実現。
  • ビジョンを軸に、利用者のフィードバックを
    獲得し改善することで、
    成長し続ける街づくりをめざす。